外壁修理のコスト削減のカギは、建物の現在を知る調査診断 | KP STREAM | 関西ペイント株式会社 Fri, 08 Mar 2024 04:58:34 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.1 外壁修理のコスト削減のカギは、建物の現在を知る調査診断 /kp-stream/insights/13/ Fri, 15 Jul 2022 08:50:23 +0000 /?post_type=insights&p=2034

工場や倉庫、ビルなどの外壁メンテナンスは、その必要性がわかっていても先送りにしてしまう方も多いかと思います。しかし、修理を先延ばしにすればするほど後にかかるコストが大きくなるだけでなく、建物の寿命を縮め、本来は必要のなかった工事をする可能性もでてきます。こうした事態を避けるのに大切なのは、建物の現状を正しく知ることにあります。今回は「どのようにして建物の状態を知るのか?」「どうすればコストは抑えられるのか?」をご紹介いたします。

1. 外壁修理のトータルコストを削減するために

建物の劣化とコストの関係

このグラフは建物の劣化度とメンテナンス費用の関係をイメージ化したものです。
劣化が進むほど、メンテナンス費用が急速に上昇することを表しています。
一例として、外壁などにできる「クラック」と呼ばれる亀裂やひび割れも、乾燥や経年劣化などで生じます。

  • <開口部のひび割れ>

  • <シーリング材の劣化(ワレ・切れ)>

  • <爆裂による鉄筋の露出>

このクラックを放置しているとコンクリート内の鉄筋が腐食して、コンクリートの爆裂を引き起こし外壁が欠損してしまいます。こうなると、当初はクラック部分の修理で済んでいたはずが、コンクリート鉄筋の防錆補修と爆裂で欠損したモルタルの補修が必要となり、修理費用は大幅に増加してしまいます。

  • <鉄部の腐食 (孔食さび)>

  • <塗膜のチョーキング(白亜化)>

  • <磁器タイルの浮き>

クラック以外にも「サビ」の発生や、外壁表面を触ると粉状のものが付着する「チョーキング」、さらには塗膜の「剥がれ」やタイルの「浮き」など、劣化の種類はさまざまで、気候や建物の立地条件によって想定よりも早く発生・進行します。

調査診断でリスクとコストを低減!

どこの劣化がひどくて、どこの傷みが少ないのか?調査・診断の実施が、適切な修理工事を行うための第一歩です。

 

  • ■専門的な知識と豊富な経験を持った担当者による調査診断にはこのようなメリットがあります。

 

    • ◎経済的な改修設計・工事の実現

⇒建物部位ごとの痛み具合や要望に合わせた改修などができ、効率的で経済的な工事の実施が可能


    • ◎過剰な品質・性能仕様、低品質な改修工事の防止

⇒科学的な調査診断により経済効率の高い工事ができ、過剰品質・低品質な修理・修繕を回避


    • ◎長期的な修繕計画の作成

⇒建物の劣化度を明らかにすることで緊急性を要する工事だけでなく、長期のメンテナンス計画が作成可能


    • ◎ダメージ箇所の早期発見

⇒タイルやモルタルなどの落下をはじめ、損害賠償責任を生ずる建物災害の予防や、欠陥・瑕疵を早期に発見することでリスクを抑制


    • ◎入札や業者選定の資料に最適

⇒中立的な立場の専門家が作成した調査資料なため、公平な入札や業者選定に活用が可能

2.調査診断のフローと検査内容のご紹介

外壁の亀裂やサビなどは放置し続けていると、より深刻な事態を引き起こしてしまいます。
科学的な調査診断の実施が建物の安全性を高めるだけでなく、修理・修繕のコスト削減の鍵となります。

以下の図は、調査診断をする際のフローチャートです。調査診断の4項目「目視・触診による調査」「打診調査」「付着力強度の調査(塗膜付着力試験、クロスカット試験)」「コンクリート中性化深度測定試験」の内容をご紹介します。

 

 

目視・触診による調査

外壁に意図せず生じる「亀裂」や「ひび割れ」は、「クラック」と呼ばれ、建物自身に生じる動きや、寒暖の差による膨張収縮など、さまざまな不可抗力的な要因により起こります。
この亀裂が直ちに修理が必要なものかの判断は定規やコンベックスなどで幅を測り目視で確認します。

 

 

測定した亀裂の幅が一般に「0.3mm以上」の場合、被りコンクリートの破壊や「漏水」の要因となりかねません。
工事を実施する際は、漏水をはじめとした症状に応じた修理が必要となります。

また、触診調査は目視調査ののち、外壁やシーリングなどを直接手で触れ、その感触から劣化の判定します。
このような調査を行い、状態によってはより詳細な調査を実施します。

打診による調査

 

「打診調査」とは打診棒を使って壁面を叩き、その音の差異を聞き分けて内部の異常を発見する調査です。
ここで異音が発するのは、経年劣化により内部に「浮き」が発生している可能性が高いと考えられます。

 

 

この「浮き」とは躯体コンクリートと下地調整材やモルタル間、もしくは各仕上材間の層間接着力の低下に伴う、内部での破断現象を指します。
一見しただけでは浮きの発生は特定しにくく、気づかずに放置していると「欠損」へと至ってしまい、モルタルやコンクリートなどが崩れ落ちて、歩行者や周辺建物などに危害を加える恐れがあります。

なお、外壁打診調査は、平成20年の建築基準法施行規則の改正に伴い、10年ごとの定期調査時に「全面打診」による調査が義務付けられています。

付着力強度調査

仕上塗材や、下地調整材も永年の雨風や紫外線の照射の影響により経年劣化し、美観・撥水・防水機能が低下して塗膜の下地への接着機能が失われます。
そのままの状態で放置していると下地の劣化に拍車をかけ、各種塗材の広範囲にわたり本来の機能である、コンクリートの保護機能を失ってしまいます。

この「塗膜付着力試験」では現在の塗膜の付着強度を測定し、塗膜の付着状態・造膜状態をチェックして劣化状態を評価し、工事での修繕方法・仕様・工法などの選定材料にすることを目的としています。

【塗膜付着強度試験】

  • 付着力試験機により加圧

  • デジタルゲージ接写

塗膜にアタッチメントを装着し、付着力試験機で加圧。デジタルゲージで付着強度を測定します。

【クロスカット試験】

 

鉄部の塗膜付着力試験は、セロハン粘着テープを用いて判定する「クロスカット試験」を実施します。
剥離状態を見て劣化度を比較し、塗り重ね可能な塗膜か否かを判断します。

中性化深度測定調査

コンクリート中の鉄筋はセメントの水和反応で生成する水酸化カルシウムCa(OH)の高アルカリ性により、腐食から守られています。この水酸化カルシウムは空気中の炭酸ガスと反応を起こすと、炭酸カルシウムとなり、この状態になるとアルカリ性は次第に失われていき、それにより「コンクリートが中性化」してしまいます。
コンクリートが中性化すると内部の鉄筋は腐食しやすくなり、建造物の構造・耐久力の低下につながります。
この「中性化深度測定」は、事前の調査診断作業の中でも特に重要です。

 

①躯体表面から10~20mm程度のサンプルをコア抜きドリルにより抜き取って採取
②採取したコアサンプルに試薬であるフェノールフタレイン溶液をかける
③無色透明なフェノールフタレイン溶液はアルカリ性に反応して赤変
赤紫色に変化した部分はpH=10以上の比較的高いアルカリ性であるため正常部であることがわかり、一方で無色透明の部分は中性化進行部と判断できます。
この無色透明部分が躯体表面からどの程度進んでいるかをノギスで計測して、進行を防ぐための対策を立てます。

3.まずは「専門家」にご相談ください

外壁の修理は放置しておくと本来は必要のなかった修理が発生してしまいます。
そうならない為にも少しでも気になることがありましたら、まずは調査診断を依頼するのがオススメです。

関西ペイントでは長年培ってきた知見をベースに、最新の塗料技術を組合せてご要望やニーズに合わせたご提案をしております。
弊社が実施している調査診断の詳細については、以下の「お問い合わせ」ボタンよりご連絡ください

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各種プラント設備の特性とメンテナンスでの最適な塗装 /kp-stream/insights/12/ Thu, 03 Feb 2022 04:08:19 +0000 /?post_type=insights&p=2543

タービン

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
建屋の鉄骨         一般的な鉄骨塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や
工程短縮が望ましい。
防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
建屋内にある機器             メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 防食性 ユニテクト       エスコNBマイルドK   ユニテクト20セーフティ  
ルビゴール     ルビゴール   ユニテクト20セーフティ  

ボイラ

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
鉄骨         一般的な鉄骨塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
ケーシング           メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 耐熱性 サモスター       サモスター サモスター        

煙突

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
塔体・筒身
(100℃以下)
        高所による塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
筒身・煙道
(100℃以下)
          メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 耐熱性 サモスター       サモスター サモスター        

配管

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
保温有り
燃料・薬液・蒸気等
            保温配管特有のCUI腐食対策が有効。 CUI対策 CUIサモスター     CUIサモスター CUIサモスター        
保温無し
工業用水・消化剤・ガス
        一般的な鉄部塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
保温無し
結露状態
        メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 防食性
耐水性
結露面塗装
ウルティモ     ウルティモ ウルティモ      
ラック、スタンション         一般的な鉄部塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  

タンク

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
タンク外面         一般的な鉄部塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
タンク内面
ガス・工業用水等
            法定点検でのメンテ。 防食性
耐水性
エポテクトタールフリー         エポテクトタールフリー エポテクトタールフリー        
タンク内面
液体:純水等
            耐久性が安定した工法が望まれる。(内容物は要確認) 防食性
耐水性
エポマリンJW       エポマリンJW エポマリンJW エポマリンJW      
タンク内面
軽油・薬液等
            耐久性が安定した工法が望まれる。(内容物は要確認) 防食性
耐薬品性
エポマリンPC       エポマリンPCプライマー エポマリンPC エポマリンPC      

燃料移送

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
アンローダー・コンベヤー・クレーン         メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  

海水系

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
冷却器・気化器・循環水ポンプ等           足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
          海水がかかったり結露している場合が多い。メンテによる設備の稼働時間を短縮することが望ましい。 防食性
結露面塗装
ウルティモ     ウルティモ ウルティモ      
取水放水管・循環水管・冷却器
気化器・循環水ポンプ等
            海水に対する防食 防汚性 エポテクトタールフリー         エポテクトタールフリー エポテクトタールフリー        
            海洋生物等の付着から守り設備の稼働を安定させることが望ましい。 防食性
耐水性
バイオックス     プライマー バイオックス バイオックス    

桟橋

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
荷受         オフショア。スプラッシュゾーン(乾湿交番)は最も厳しい腐食環境。補修が困難な設備でメンテフリーが望ましい。 防食性
耐候性
SDジンク、テクトバリヤー、
レタン
      SDジンク500 テクトバリヤーSP レタン6000      

脱硫装置

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
設備の鉄骨         設備の温度が高温~超低温まで。設備にSUS素材も多く使われる。CUI対策が求められる。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
キシレン、エチレンなどへの蒸留など
(保温有無)
            低温 CUI対策 CUIサモスター     CUIサモスター CUIサモスター        

 

実際の各設備の塗装仕様については以下からお問い合わせください

最適な塗装仕様をご提案します。

関西ペイントでは、メンテナンス塗装をお考えのプラント設備について、素材や環境、旧塗膜の状態など、さまざまな条件を考慮したうえで、補修に適した塗装仕様をご提案します。
設備管理のメンテナンス計画などにお役立てください。

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配管はプラントの“血管”。メンテナンスの盲点とならないために /kp-stream/insights/11/ Thu, 16 Dec 2021 08:02:33 +0000 /?post_type=insights&p=2031

発電所や製鉄所、化学工業や製紙工場、食品工場などのプラントに欠かせないのが配管です。
液体や気体、粉体など、特殊な物質や資源を扱うために専用に設計されたプラント配管は、さまざまな流体を輸送するため、工場内の設備から設備へと縦横無尽に張りめぐらされています。

人体にたとえるなら、体内をめぐる“血管”のようなものといえるでしょう。

1. プラントにおける配管の重要性

プラントの種類や設備により、配管を流れる物質もさまざま

外見はどれも同じように見えるプラント配管ですが、目的や用途、条件などによってさまざまな種類の配管を使い分けています。
たとえば、工業用水や排水、熱源水などの液体を流体とする場合は液体配管を、蒸気や冷媒、燃料ガスなどの気体を流体とする場合は気体配管を使います。

プラントでは危険な薬品や可燃性の高い燃料などを扱うことも多く、わずかな漏洩が大事故へとつながってしまう可能性があります。
たとえば、原油などは揮発性が高く燃焼の危険性も大きいことから、取り扱いには十分な注意が必要です。
また、高温の排水、人体や環境にとって有害な薬品やガスなどを取り扱うケースも少なくありません。

 

配管のトラブルは各設備への重大な悪影響に

プラントの構造などにより、屋外を通さなければならない場合や1本の配管が長くなるなど、プラント配管は破損や劣化などによるトラブルが起こりやすい設備でもあります。
そのため、プラント配管を安全な状態で維持するには定期的なメンテナンスが重要です。
しかし、高所での作業や被覆を剥がすなど、実作業となると高度な技術と専門知識を要すため、作業員の確保などを含む綿密なメンテナンス計画が必要となり、なかなかスムーズにはいきません。

取り扱う流体には危険物も多く、高温高圧から低温までといった厳しい条件下で使用されるなど、過酷な環境に置かれることが多いプラント配管は、傷やサビ、配管減肉といったわずかな異常から漏洩などのトラブルが発生します。

人体の血管の障害が臓器の障害へとつながるように、配管の障害はそこにつながるプラント各設備へ悪影響を及ぼし、結果的に設備の稼働率の低下、あるいは全面停止などの重大なトラブルへと発展する可能性があります。

そこで適切な保守計画とメンテナンス塗装の実施が、このようなリスクの低減のために重要となります。

 

2. 適切な塗装でリスクを抑制できる!

高い専門性が求められるメンテナンス塗装

プラント配管のメンテナンス塗装では、配管の素材や配管を流れる物質、使用環境など、さまざまな条件を考慮したうえで、塗装仕様(塗料)が決められます。

配管の素材が炭素鋼なのかステンレス鋼なのか、配管を流れる物質が液体なのか気体なのか、どの程度高温になるのか低温になるのか、配管の保温材の有無やCUI(保温材下配管外面腐食)対策など。
また、結露しやすい環境なのか、塩害の有無や没水の有無など、配管が設置されている環境面での考慮も重要です。
メンテナンス塗装において適切な塗装仕様を判断するには、これらを総合的に鑑みる必要があるため、高い専門性が求められます。

 

素地調整の判断がメンテナンス塗装のカギ!

メンテナンス塗装の前処理として行われる素地調整(下地処理)。
中でもケレン作業は、メンテナンス塗装の完成度にも大きく影響する重要な工程の一つとされ、サビや塗膜の割れなどの旧塗膜の状態、または高温対応などといった配管の種類など、さまざざまな条件からどの程度の素地調整を行うかの判断を下します。

素地調整は、作業内容や方法などに応じて1種ケレンから4種ケレンまでの4種類に分類されます。
とくに、サビや旧塗膜の除去面積が広く作業負荷が掛かる1種ケレンや2種ケレンでは、ケレン残しによるサビの再発といった課題も多く、素地調整の見極めが非常に重要となります。

配管外面の塗装区分の一例について、以下に示します。

配管外面の塗装区分(例)

上記表のように素材や温度・環境、保温材の有無などにより塗装仕様が細かく設定・判断されます。
場所によって汚れやサビの程度が異なるだけに、素地調整の判断、いわゆるケレンの出来栄えがメンテナンス塗装の重要なカギとなっているのです。

3. メンテナンス塗装の課題をご相談ください。最適な塗装仕様をご提案します。

関西ペイントでは、メンテナンス塗装をお考えのプラント設備について、素材や環境、旧塗膜の状態など、さまざまな条件を考慮したうえで、補修に適した塗装仕様をご提案します。
設備管理のメンテナンス計画などにお役立てください。

ご紹介製品の動画

  • サモスター
  • ウルティモ
  • ルビゴール

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  • ルビゴール
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<更新>想定を超えるさびの再発・進行。プラントメンテナンスのポイントはスケジュール上での余裕 /kp-stream/insights/9/ Mon, 16 Aug 2021 07:31:57 +0000 /?post_type=insights&p=2018

1. プラント設備での「さび」との戦い

プラント設備の保全、中でも腐食への対応は、施主・管理者にとって常に大きな問題です。
従来の補修工事では特に、塩害など環境からの影響、湿潤面など設備の特徴により、想定以上のさびの再発・進行の早さに悩まされるケースも多く見られています。
予定されていたメンテナンス時期より早くさびが進行すれば、配管に穴が空くなどの大きな問題となる事もあり、その結果、設備の取り替えや大規模な補修が必要となるなど、コスト・時間の大きな損失となってしまいます。

2.メンテナンススケジュールの課題

設備の交換や大規模補修のリスクを避けるために、想定以上のさびの再発・進行の早さが見られた際には速やかな対応が必要ですが、本来予定していなかったメンテナンスの実施には、以下のような問題が生じる可能性があります。

必要な手続きに時間がかかる
(見積もりの取得/社内協議/予算化/稟議/計画作成/その他社内手続きなど)
過去に対応した施工業者の人手不足などにより、必要な時期・期間での施工ができない。
またそのために別の施工業者に発注することで思わぬリスクが発生することも。

このようなプラント保全での課題を踏まえ、関西ペイントでは塗り替え塗装に最適なさびメンテナンス用塗料「ルビゴール」を開発しました。

 

溶剤貯蔵のタンク、配管等でのさび発生箇所の例

3.「ルビゴール」の真価。さびの再発・進行を抑え、余裕を持ったメンテナンスが可能に

関西ペイントの「ルビゴール」は、さびが残る箇所に塗装した場合もさびの進行を抑え、長期の防食性能を発揮します。
従来の補修塗料と比較し時間的な余裕が生まれることで、先述した「手続きに必要な期間」「人手不足による作業時期の制限」など、メンテナンス実施のためのスケジュール上の問題を解決することが可能となります。

このような特徴により、大規模補修の発生リスクを抑制し、メンテナンスサイクルの長期化によるメンテナンス頻度そのものを減少させることで、プラント保全に関するトータルコストを大きく引き下げることが期待できます

ルビゴールを使ったメンテナンス時期のイメージ

 

4.さびが残存する面にも塗装ができて、進行を止める!独自技術でさび発生のメカニズムを根本的に解決

「ルビゴール」は腐食電流(3つの電流パターン)を抑制することでさびの促進を制御する手法を採用した、画期的なさび止め塗料です。
さび発生の根本的なメカニズムである「電流」に対し、独自技術でアプローチ。電流を遮断する成分があらゆる腐食電流をカットし、一般的な塗装と比較しても点さびの発生時期を約1.6倍に延ばします。
また、その後のさびの進行も抑制し続けるため、メンテナンスの推奨期間の長さも約2.2倍に保つことができます。
このように、さびを放っておくと短期間で再発してしまう原因を抜本的に解決することで、長期的な防食性能を実現しました。

 

さび表面の腐食電流が大きくなるとさびの進行が加速

ルビゴールの成分で腐食電流をカットし、さびの進行を止める

「さび発生・促進抑制メカニズム」について詳しくはこちら

ルビゴールは、腐食防蝕学会 技術賞を受賞しました
ルビゴールが、国土交通省 新技術情報システム(NETIS)に登録されました

5.「ルビゴール」の導入事例・試験塗装結果

施工場所:LNG(液化天然ガス)設備 鉄骨架台
施工場所は海岸沿いの立地で、特に海からの風が強く、塩分の影響を受けやすい環境下にあるプラントです。さびが発生した鉄骨架台は素地調整に動力工具が使用できない火気厳禁エリアのため、ケレン作業の負担を軽減する「ルビゴール」をご採用いただきました。

 

 

6.まとめ

プラントメンテナンスや保全計画、その課題解決を目的に開発されたのが「ルビゴール」です。
塗装のみでさびの進行を抑制し、しかも長期的な防食性能を発揮するこの製品は、施主・施工業者ともに多くのメリットをもたらします。

「ルビゴール」採用のメリット

 

  • 施主・プラント管理上のメリット
    • 余裕を持った補修計画・施工が行える
    • メンテナンスの頻度が抑えられる
    • メンテナンスのトータルコストが抑えられる

 

  • 施工業者のメリット
    • 作業員の確保や調整に余裕を持って対応できる事で、施工の取りこぼしを防げる
    • 動力工具を使用した大規模なケレン作業が不要となり、質の高い仕上がりが短期間で行える
    • さび発生までの期間が一般的な塗装と比較し約1.6倍となり、メンテナンス推奨期間も長期化されることで競合業者との差別化が図れる
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濡れたプラント設備にそのまま塗装できる塗料「ウルティモ」 /kp-stream/insights/10/ Thu, 18 Mar 2021 07:50:42 +0000 /?post_type=insights&p=2025

1. 濡れている設備の腐食課題

プラント設備は、その特性や設置している環境によって、さまざまな環境負荷がかかっています。
特に、低温のガスが通る配管や気化器、海水を導入する復水器、空調機器を支える架台、貯水施設の付属物など、絶えず水分の影響を受けている設備は意外と散見されます。

それにも関わらず、的確な防食方法が少ないことから、腐食がすすんでも放置せざるを得ない、若しくは次回の大規模修繕や定期点検時に設備の運転を止めて、設備が乾燥できるタイミングまで待たざるを得ないケースが多くあります。
また、降雨後に無理やり塗装したために、濡れムラが出来たり、塗装後たった一ヶ月でサビが出てきたりというケースも困り事としてお聞きします。

このような状況が想定される場合、 次のような課題があるのではないでしょうか?

プラント設備: 湿潤環境阻止のための、設備停止。
商業ビル屋上空調回りなどの建築鉄骨: 完全養生や強制的な乾燥。
洋上構造物、山間部などの湿潤した土留め鉄骨: 大規模養生や水洗後の養生時間

 

結露水等による比較的薄い水膜下は、単純に没水している箇所よりも酸素の供給がスムーズとなるために、実際の腐食環境としては2~10倍程度の厳しさとされます。

参考データ:ロシアの科学者トマショフは、腐食速度は水膜厚さの影響を受け、1μm程度のとき最も厳しいと予測した(上図1966年)。

2.湿潤面に直接塗装できる「ウルティモ」

腐食対策での「塗装」は、簡便かつ長期的に耐久できる、コスト面でも最も優れた工法の一つです。
しかし、塗料は濡れた面に対しては密着しなかったり、水を巻き込んで剥がれたり割れたり錆びたりと、濡れている箇所にそのまま補修できる簡便な材料や工法は少ないのが現状でした。

そのため、メンテナンスの際は乾燥させることが大前提となっていましたが、乾燥させるためには設備の停止が余儀なくされました。しかも、場合によっては乾燥するまでに3~4日かかることもあります。
できれば運転中や供用中でも補修したいシーンは多くあると思われますが、実際には難しい状況でした。

そんな課題を克服したのが、湿潤面用防食塗料「ウルティモ」です。

 



結露で濡れた配管に直接「ウルティモ」を塗装

結露で濡れた配管のフランジにも、無理なく塗装できる。

 

ウルティモは、塗料に超疎水性能を付与することで、表面にある水分を押し出しながら硬化していくので、通常の乾燥している表面に塗装する場合に近い状態で、刷毛塗りやローラー塗装が可能となります。
また、水分と接触しても塗膜が剥がれたり割れたりせず、強固な膜を形成するので、塗装後には優れた遮断性を発揮し、長期の防錆力を実現します。

3.「ウルティモ」の導入事例・試験塗装結果

■ プラント構内の事例

兵庫県にある化学プラントの結露配管にて、湿潤面用塗料ウルティモの試験塗装を行いました。
一般的な変性エポキシ樹脂塗料を乾燥膜厚250μmとなるよう塗装を試みましたが、写真のようにうまく塗り広げることが困難でありかなり労を要しました。
一方、同様の条件においてウルティモは一様に塗り広げる事ができました。

 

 

この設備を約6ヵ月放置したところ、一般的な変性エポキシ樹脂塗料ではさびが多く発生しています。これは、塗料中に巻き込まれた水分がさびを促進させ、さらには塗料が膜にならなかった部分が散在したため、外部との遮断性能にばらつきが生じたためさびが発生したものと考えられます。
一方、ウルティモは安定した防錆力を発揮し、塗布した時のように綺麗な状態を保持しています。

 



一般的な変性エポキシ樹脂塗料

ウルティモ

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事故事例から学ぶ、故障・事故の未然防止策 /kp-stream/insights/7/ Tue, 19 Jan 2021 04:38:53 +0000 /?post_type=insights&p=1982

さびは塗膜による保護機能を損ない設備の耐久性を下げるほか、進行した場合は流出事故などの要因となるため、日頃から懸念箇所を認識して故障や事故を未然に防ぐ必要があります。

本記事では、腐食しやすい箇所を「構造的要因」と「環境的要因」の2点で把握し、実際の事故事例でどういった点に気をつけるべきか学びながら、故障・事故の未然防止策を考えていきます。

1. 見落としがちな「腐食しやすい」箇所

【1】構造的要因

プラントの腐食は全体に均一に進行するものではありません。湿潤状態になりやすい部位や、塗膜品質(防食)の確保が困難な部位で局部的に腐食が進行しやすくなります。具体的には、部材の格点部やタンクの「天蓋」・フランジや溶接による「接合部」・部材の「エッジ部」などです。

【2】環境的な要因

設置環境によって腐食が進行しやすい設備もあります。例えば、海塩粒子の影響を受けやすい環境・紫外線が当たりやすい環境・雨水が滞留しやすい環境などです。

 

こうした箇所以外にも、上述の原因が重なって腐食の進行が早まる場合もあり、要因や懸念箇所を日頃から把握しておくことが大切です。
次章では実際の事故事例についてみていきます。

2. 腐食が原因で起きた事故事例

定期的にメンテナンスが行われていても、腐食劣化による事故は実際に起こっています。その多くは、見落としがあったり点検が不十分だったことが原因です。
ここでは、過去にどのような事故が発生しているのか事例をご紹介します。

 

出典:「高圧ガス事故事例情報シート(神奈川県)」(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/15002/551677.pdf

【1】機械・プラントの劣化事例

●配管の保温材下腐食によるガス漏えい

[事象]
「LPG」入出荷桟橋上の保温(冷)材被覆のLPG揚荷配管(2B)のサポート付近にて、陽炎が上がる。当該ラインを脱圧し、ポータブル式ガス検知器にて漏えいを確認したところ「LEL(爆発下限界)」70%を検知した。

[状況]
事故が起こった配管は、数日前にLPG(ベーパ)と窒素ガスで配管内に滞留した液相を押し出す処理を行っていた。
事故後、当該配管に施工されている保温材を取り外して点検したところ、配管サポート部を中心に保温材下腐食による湿食が進行していることを確認。錆削り後、腐食部に最大で直径7mm程度の開孔部が確認された。

[原因]
CUI(保温材下配管外面腐食)による配管外面腐食であり、漏えい部の配管材質はステンレス鋼などに比べて腐食が発生しやすい炭素鋼(STPL)だった。

さらに、板金の劣化により雨水が侵入しやすい状態で、配管サポート接触部を中心に雨水が滞留し、腐食がより進行したものと考えられる。

 

●液化アンモニア導管からの漏えい

[事象]
運河上のガス管橋の液化アンモニア導管から、アンモニアが漏えいした。

出典:「高圧ガス事故事例情報シート(神奈川県)」(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/15002/421876.pdf

[状況]
事故後、現場付近を点検したところ、導管の溶接線を中心に約200mmの範囲で外面腐食が確認された。さらに、当該部分の塗装膜のケレン処理により、溶接線近傍の下面に孔食による直径0.8mm程度の貫通孔が発見された。

[原因]

  • 設備管理上

運河上の潮風が当たる厳しい腐食環境の中で、結露等により発生した水分が配管下面に集まったこと、漏洩箇所付近の溶接線の周辺部が設置時および 1989 年の再塗装時に、下地処理を十分に行わないまま塗装を行ったため、塗膜の劣化が他の部位に比べて早まったこと、さらにさび等で浮いた塗膜の内側に水分が浸入して腐食が進み、孔食により漏えいに至ったものと考えられる。

  • 検査管理上

当該導管はガス管橋の歩廊から離れた位置(図 2)に設置されているため、目視点検が十分に行われなかった。また、腐食環境が厳しいにも関わらず、定期自主点検のポイントに選定されておらず、日常および定期自主点検時には地上から確認する程度であった。

【2】付帯設備の劣化事例

 



  • 付帯設備の劣化に起因する労働災害では墜落や転落、踏み抜きなどが挙げられます。

3. 腐食の要因を把握し、点検精度を高める

2章で紹介した事例から、保全担当者が重要視している箇所以外で事故が起こるケースもあることが分かります。事故を未然に防ぐためにも、構造的・環境的要因を把握し、点検箇所や方法を見直して定期的に確認することが重要です。

付帯設備の事故事例また未然に防ぐための対策については、厚生労働省ホームページの「付帯設備の劣化による労働災害を防止するために」が参考になります。

→ 厚生労働省のホームページ (https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000197453.pdf

 

また関西ペイントでは、塗膜調査における台帳テンプレートをご用意しております。

 

 

点検時により詳細に腐食の箇所を把握することで、事故の防止に繋がります。
ぜひご活用ください。

4.CUI(保温材下配管外面腐食)による腐食の進行を遅らせる工法を

CUI(保温材下配管外面腐食)対策には、厚膜で水分や塩分の侵入を遮断でき、さらに耐熱できる工法に限定されます。
関西ペイントでは、CUI対策用のサモスター配管用を使用した工法を推奨しています。

 

 

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腐食が想定以上に進行。その原因は「塩害」では? /kp-stream/insights/6/ Tue, 19 Jan 2021 02:04:29 +0000 /?post_type=insights&p=1974

海から離れた場所であっても、想定以上に腐食が進行している場合「塩害」の可能性が考えられます。
今回は、塩害と海からの距離の関係性、塩分の影響を調べる海塩粒子の付着量の測定法などを交え、塩害対策に繋がる塗料のご紹介をします。

1. 補修までの周期が短くコストがかさむ…実は塩害の可能性

思っている以上に、施設や設備の腐食が進んでいると感じることはありませんか?
それは塩害の影響かも知れません。塩分の存在は、鋼材の腐食を早めます。
腐食が早まると保全計画外のメンテナンスが必要になり、メンテナンス費用以外にも施設や設備の稼働率に影響してコストの増大を伴います。
建築から50年を超えるプラント施設なども多い現在、経年劣化に加えて塩害のダメージを受けている場合もあります。

2. 腐食進行の原因 海岸から離れた場所でも起こりうる「塩害」

●塩害と海からの距離の関係性

塩分は、それ自体が水に溶けやすい性質であり、水溶液は電解質で腐食電流の流れを大きくするため、鋼材の腐食が大きくなります。
さらに海浜では高湿度のため、濡れる時間が長くなることも腐食しやすい要因です。

●内陸施設でも塩害による腐食が発生

海塩粒子の付着によって生じる腐食は、海岸からの距離と強い関係があると言われています。
海塩粒子は海からの風によって運ばれ、細かい浮遊化した海塩粒子は軽い為、遠くまで飛ばされて雨が当たらないところに留まります。
このような場所・条件では、塩害が起こりやすくなります。
また、海岸から離れた内陸の施設においても、台風などの強風により、海塩粒子が飛来します。
この飛来塩分は、設備の水平面、部材の裏面など、雨水によって流れ落ちにくい部位、いわゆる雨掛かりではない場所に滞留することが多くあります。
また、諸説ありますが、鉄塔の上などの高所は細かい粒子が落ちずに留まり、さびに繋がりやすくなります。

3. 塩害の有無を把握する簡易測定法

塩害対策として適切な補修や処置を行う前に、腐食の原因が「塩分」か判断するため、海塩粒子付着量を確認する必要が出てきます。
測定方法としては各種ありますが、ここでは簡単に手に入る材料で比較的、手軽に実践できる「海塩粒子付着量の簡易測定法」をご紹介します。
今回ご紹介した「海塩粒子付着量の簡易測定法」は、特別な機器を使わないため比較的、手軽に実施出来ます。

 

一般的に塗装においては、50mg/㎡以上を塩害の目安としております。
より高精度な測定・調査については関西ペイント社へお問い合わせください。

●ガーゼ拭き取り塩化物イオン検知管法を用いた海塩粒子付着量の測定

【測定に必要な物】

 

  • 脱イオン水(または蒸留水) ※1個所の測定に150cc必要です。
  • 局方ガーゼ:30×30cm ※1個所につき3枚必要です。
  • 薄手のゴム手袋(炊事用・手術用等)
  • 幅20mm程度のマスキングテープまたはマグネットシート
  • メジャー
  • ポリビーカー:250ml
  • 北川式 塩素イオン検知管(Cl-)

関西ペイント社へお問い合わせください。

●試料の採取方法

 

  1. 測定部をメジャーにて0.25平方メートル(※)を正確に測り、マスキングテープ(またはマグネットシートにて仕切る。※例:50×50cm等
  2. ゴム手袋をして【脱イオン水100ml】を250mlポリビーカーに入れる。
  3. ガーゼをたたみ、ポリビーカーの水で湿らせる。
  4. 湿らせたガーゼで測定面を平行方向に拭う。
    !この時、外にはみ出さないよう、水をたらさないよう十分に注意すること。
  5. ガーゼを(2)の脱イオン水でよくすすぐ。
  6. 拭う方向を変えて(4)(5)の操作を繰り返し行う。

※飛来塩分は、設備の水平面、部材の裏面など、雨水によって流れ落ちにくい部位に滞留することが多く、各部位ごとにランダムに計測することが望ましい。

 

※採取後、使用したゴム手袋の表面を【残りの脱イオン水50ml】でよく洗い、ポリビーカー内の脱イオン水を150mlとする。

●測定方法

検知管の両端(a・b)をヤスリで切り取り、先ほど作った試料液の中に検知管の一端(a)を入れる。

すると試料液は下端(a)より次第に進入し、上端にいたるが、その際、試料液中に塩素イオンがあれば、下端より白色の変色層ができる。

試料液がガラス管内の検知剤の上端(綿栓)まで浸透したら、検知管を取り出す。図を参照に、検知管の濃度目盛りと変色層の境界で読み、測定値とする。(塩素があれば、着色層が茶色→白に変色する)

 

たとえば、本測定法によって100ppmの塩素イオン濃度がでれば、これがそのまま塩分の濃度(=100mg/m2)の数値ということになる。

4. 塩害対策には腐食の進行を遅らせる工法を

塩害対策としては、腐食の進行を遅らせる工法の選択が重要であり、さびの発生源である水分や塩分の侵入を遮断できる厚膜型の塗装がポイントとなります。
関西ペイントでは厚膜塗装が特徴で工程短縮にもつながるエスコNBマイルドHを使用した工法を推奨しています。

 

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目視こそ保全の要。塗膜調査における観察ポイントとは /kp-stream/insights/8/ Tue, 17 Nov 2020 07:00:45 +0000 /?post_type=insights&p=2006

塗膜はさまざまな要因によって日々劣化が進んでいます。こうした塗膜の現状を把握するために行なわれるのが「塗膜調査」です。
大型プラントの場合、こうした塗膜調査を含めた調査・補修は、事前の保全計画に基づき定期的に行なわれますが、それに加えて保全担当者の「目視」による日常的な塗膜検査も推奨されています。保全担当者の現場巡回による目視調査は、欠陥部分を早期に発見し、補修時のコストや工期を少なく抑えられることができるため、長期防食や効率化の見地からも優れた方法といえます。
また、小規模施設やプラントにおいては、そもそも定期的な調査が不足しがちになっているため、大型プラント以上に保全担当者の目視による塗膜調査が重要です。

そこで今回は、目視調査をどのように行なうのか、その観察ポイントと結果から導き出される最適な塗替え時期の判断について紹介していきます。

1. 塗装の劣化要因と保全担当者による目視調査の重要性

大型の鋼構造物は、内的要因・外的要因等、さまざまな要因で劣化が進行します。特にプラント等、外に設置されている構造物は、天候や周辺環境の影響を受けやすいので注意が必要です。

たとえば、光(紫外線)および酸素による塗膜の樹脂成分や顔料成分の化学分解作用は、塗膜の光沢保持性や変退色に大きな影響をおよぼすとされており、さらにここに水や熱の影響が加わわれば、劣化スピードはさらに促進します。
主な劣化要因は、以下の通りです。

こうした塗膜の劣化やはがれを早期に発見し、適切な維持管理を実現するために行うのが「塗膜調査」です。早期に塗膜の欠陥を発見し、適切な処理を行なう事は事故の予防、補修経費のコストダウンにも繋がります。
また塗替え前後の塗膜の状態を正確に把握することで未来予測・長寿命化など、長期的なプラント維持管理の計画が可能となります。
次章では目視調査の具体的な手順について紹介していきます。

2. 目視調査における観察ポイント

調査員の眼により比較的広い面積を確認できる目視調査に対して、計器による測定は一度に小面積しか測定できません。正確な測定結果を出すためには、計器で測定結果を増やす必要があり、非常に手間がかかります。逆に測定個所数を省略すると、判断材料が不十分になってしまいます。そのため計器による測定は目視調査の補完と位置づけます。
一方で調査においては「統一的な見解に基づいた妥当な判定」が下されることが求められており、計器による調査と異なり、調査員による個人差が現れやすい点が目視調査の問題でもあります。
そこで個人差をできるだけ排除するために、各種の標準図が作成されています。
目視調査において最も簡便な方法は、さびや塗膜の破損状況を確認することです。
これに加え、はがれ・白亜化・割れなどの状況を把握し、塗替え時期の判定基準とします。
図表:「関西鋼構造物塗装研究会 資料」をもとに関西ペイント株式会社 作成

■目視調査のための各標準図

【1】さび

さびの状態は、標準図および発生面積に基づいて評価します。
ただし、さびが部分的であったり偏っていたりすることで、上記の評価を用いても判定が難しい場合、また、塗膜調査に不慣れな場合などは実物の写真を使って評価し、さび発生面積を推定、それを標準図と照らし合わせます。

 



 

【2】はがれ

はがれの状態は大きさによって、小はがれ・大はがれに分類されます。はがれのあるものは、標準図に基づいて評価します。

 

【3】白亜化(チョーキング)

塩分は、それ自体が水に溶けやすい性質であり、水溶液は電解質で腐食電流の流れを大きくするため、鋼材の腐食が大きくなります。さらに海浜では高湿度のため、濡れる時間が長くなることも腐食しやすい要因です。

 

【4】割れ

割れの状態は「線状われ」「鳥足状われ」「不規則われ」の3種類に分類され、それぞれの標準図に基づき評価します。



 

【5】膨れ

膨れの状態は標準的にはさびの標準図を利用し、下記の表に基づき評価します。
また膨れを破って、膨れの発生がどの層であるかを確かめ、記録しておきます。

 

 

※ただし、割れ・膨れについては、遠くからの目視では正確な評価が難しく、また重防食塗装系塗膜が一般塗装系と比べて塗膜性能が格段に高いため、目視により適格に状態を把握することは困難です。
定期点検において、塗膜の一部を採取して塗膜中の亜鉛末の状態を観察する方法などを検討し、目視調査ではさび評価により塗膜にさびの発生がなければ、防食下地のジンクリッチペイントは健全であると判断します。

こうした標準図に基づき、場合によっては各評価を組み合わせて劣化度判定を行なっていくことで、より総合的かつ正確な考察を行なうことが可能となります。

 



 

また、調査では防食機能の維持が軸となりますが、周辺環境によっては景観や美観についても考慮します。そういった場合は、変退色や汚れも点検項目に追加していきます。

 

  • 変退色

初期の色に該当するカラーカードを準備し、比較することで変退色の程度を評価します。

 

  • 汚れ

塗膜表面の汚れを水または洗剤を用いて10×10cmの面積をふき取り、その洗浄面と周囲の汚れた面との差を4段階で評価します。

■目視調査を行なう場所

目視調査は、既設足場や地上からの遠望により外観全体を広く観察します。

化学プラントでは、保温材の不連続部や外装板の腐食・損傷部等、CUIの発生しやすい場所における外観を特に注意深く観察する、といったように、プラントの特性に合わせて、重点的に観察する箇所を変更することも必要です。
下記表:「目視点検のマニュアル等」(総務省消防庁)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/2019/03/30/items/02_h310130_shiryo2-1.pdf
をもとに関西ペイント株式会社 作成

3. 調査から導き出される最適な塗替え時期とは

前章で紹介した目視調査の他、計器による調査や必要な塗膜調査を行なった後、そのデータをまとめ、結果に基づき塗替え時期や塗装仕様を決定していきます。

 

前章の調査結果を下記の塗膜管理台帳に入力いただくと、劣化度の判定が可能です。


塗膜調査台帳ひな形ダウンロード(excel)

 

A:塗膜は健全な状態
B:損傷や劣化が認められるが、塗膜は防食機能を維持している状態
C:部分的に損傷や劣化が生じ、塗膜は一部防食機能が損なわれている状態
D:全面的に損傷や劣化が進行し、塗膜は防食機能が失われている状態
このように塗膜調査の方法や評価等、一定の基準が設けられていますが、塗膜の塗り替え時期は美観への配慮やその施設がおかれる環境、コスト・工期等、さまざまな事項を複合的に考慮した上で判断されます。
表と照らし合わせた評価点だけにこだわらず、担当するプラントの状況を鑑みながら判断することが大切です。

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